小林さんは都内にある広告系の企業にてアートディレクターとして、幅広いデザインのお仕事をされていますが、現在は静岡でも副業人材として活動し、二拠点生活をされています。「静岡でアウトプットしたい」と話す小林さんにお話を伺いました。
ーー東京で働きながら静岡でも活動されているとのことですが、そのきっかけを教えて頂けますか?
元々静岡市で生まれ育ったということもあり、虎視淡々と静岡へ帰るタイミングを狙っていました。本当はもっと早く帰りたいなと思っていたのですが、いざ帰った時に、はたして自分が静岡で活躍できる場所があるのかと、なかなか踏み出せずにいましたので、まずは副業をしながら静岡での働き方や仕事の雰囲気を知り、その上で検討しようと思いました。
ーー確かに移住する際の不安要素として、常に仕事は取り上げられますね。
大学や留学、社会人になってからも一貫してデザインやブランディングを軸にして活動していたので、今までの経験や知識を活かる仕事をしたいと思っています。人生の中で働く時間はかなりの割合を占めるので、贅沢かもしれませんが、せっかくなら楽しく働きたいですし、今までも自分の「好き」を仕事にする為に頑張ってきたので、まずは副業を通じてベース作りをしながら、段階を踏んで移住を進めようかなと。
ーー静岡で副業するのは週末に静岡で働くという感じですか?
基本的には金曜日と隔週の月曜日は、副業dayとして静岡で活動することを会社に認めてもらっています。今はオンラインでも打ち合わせはできるので、より気軽に静岡の仕事ができるようになりましたね。それに週末を静岡で過ごせるのは気分転換としても非常に良いなと思っています。
ーー副業ではどんなお仕事をされていますか?
副業では今まで経験した仕事のスキルを活かして、企業や新規事業のブランディングや広告戦略、SNSの活用のサポートなどをしています。他にも今はコロナの影響もあって、ECサイトの立ち上げのお話も多くありますね。どの仕事も単発的にデザインを考えるのではなく、どのような体験をユーザーに伝えるのかを、戦略やアートディレクションを通して考えています。それが結果的に静岡の魅力の向上に繋がれば嬉しいです。
ーー副業と本業との両立はどうでしょうか?
東京で得た経験や知識を改めて静岡の仕事でアウトプットすることで、自分の成長につながっていると感じます。静岡の企業の方の力になれている実感もあるので、やりがいもあります。また、他の副業人材の方と一緒に仕事をする機会もあるので、新しい分野のお話や、知識を吸収することができて刺激にもなりますし、その経験を今度は東京の会社の仕事にも活かせていると感じるので相乗効果があるなと感じています。
ーー良いお話が多い印象ですが、逆にデメリットはありますか?
生活面では交通費が少しかかることくらいですかね。
仕事面では時間配分かな。どうしても繁忙期みたいな時はあるので、土日に喰い込むこともありますが、好きな事をしているのでそれほど苦ではないです。ありがたいことに家族も応援してくれているので助かっています。
ーー今後の展望などはありますか?
そうですね。今は私だけが二拠点生活をしているので、家族一緒に静岡へ完全移住したいです。一歳になる息子がいるので、子育てはのびのびとした雰囲気のある静岡でしたいと思っています。
仕事面では、年齢的にもスキル的にも、これからが働き盛りで色々とチャレンジできるタイミングだと思っています。静岡市のテレワーク推進をする都市型の地域おこし協力隊にも任命していただいたので、今までの知識や経験を活かしながら、静岡の魅力を伝えて、静岡へ関わる人を増やして行きたいです。またそれとは別に、個人としても地域活性化や、静岡の企業や商品の魅力向上、課題解決にデザイン的なアプローチで力になれればと思っています。今までの経験を静岡でアウトプットして、そこから一緒に成長していけるのが理想です。
会社員として都内で働きながら副業で静岡へ段階的に関わりを持つ小林さんのお話を聞くと、地域への関わり方にも様々な方法があることを感じました。これから地方への移住を検討される方は、まずは副業などから少しずつ関係をつくっていくのも良いのかもしれません。