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『音羽ビルプロジェクトが始動します!』

2024年1月、静岡鉄道「音羽町駅」直結の「静鉄音羽ビル」の一画をリノベーションし、
地域密着型の『フードホール』の開発を進めています。
本施設では人の「顔」が見え、人と「繋がる」場所づくりを目指し
地域の人たちと一緒に街づくりを行っていきます。
そこで施設のコンセプトづくりやイベント企画など、私たちと考えながら
一緒に静岡を楽しく盛り上げてくれる事業者様を探しております!

「移住先でお店をかまえるのが夢!」
「地方でお店を出してみたいけど、移住していきなりひとりで出店するのは不安・・・」
など感じている方、一緒に静岡を盛り上げていきませんか??
もちろん出店のご相談と合わせて、移住の相談も大歓迎です♪
お心当たりのある方は、ぜひお問合せください!

(計画地概要)
所在地:静岡県静岡市葵区音羽町21-20 静鉄音羽ビル1階(静岡鉄道「音羽町駅」駅前)
計画内容:フードホール
企画運営:静岡鉄道㈱
企画支援・設計:株式会社ヒトカラメディア

(募集要項)
・業種:飲食店(重飲食除く)または物販
・ターゲット:20~40代社会人向け
・区画面積:B区画(飲食) 21.5㎡ ※共用部別途有
・賃料等:賃料89,000円/共益費19,000円
・条件:敷金6ヶ月/礼金保証金なし
・契約期間:3年間(3年以上は要相談)
・開業時期:2024年1月末予定
・その他:酒類と親和性の高い飲食物を取り扱う事業者様を特に募集しております!

詳細は下記URLをご確認ください☆
https://project11.shizutetsu.net/project/otowa/
【募集チラシ】

本日は静岡市清水区中之郷2丁目の新築の物件を紹介します!
こちらの物件はJR「草薙」駅から徒歩5分のところにある
2024年3月完成予定の新築物件です。

\こんな移住希望者にお勧め/
☑まずは賃貸で暮らして街の雰囲気を味わいたい
☑車が無くても生活に不便ないところで暮らしたい
☑防犯面も含めて安心して落ち着いた生活をしたい

本日紹介する物件のある中之郷は
JR草薙駅から徒歩5分、静岡鉄道草薙駅徒歩3分、
静岡鉄道県立美術館前駅から徒歩2分と
交通の便が良い立地となっています。

また、再生可能エネルギーの太陽光で発電した電気を使える
「ZEH認定」マンションであり、
環境にも配慮した物件となっています。

県立美術館や県立図書館、
静岡県立大学も近くにあり、
休日の天気がいい日は散歩をしてみてはいかがでしょうか?

お部屋については、2LDKの間取りに、
ウォークインクローゼットがついてるため、
収納も抜群です。

玄関も広いため、開放感がありながら、
すっきり収納することもできそうです!

駐輪場や敷地内の駐車場もあるので、
車通勤の方も、電車通勤の方にも、
おすすめできる物件です。

静岡市で、快適で安全な生活を送ってみませんか?

本日は島田市南1丁目にある物件を紹介します。
こちらの物件はJR「島田」駅から徒歩8分のところにある
趣のある和空間の広々古民家物件です。

\こんな移住希望者にお勧め/
☑まずは賃貸で暮らして街の雰囲気を味わいたい
☑家族で移住を検討している
☑車の運転が不安なので、まずは車がなくても生活できる場所で暮らしたい

本日紹介する物件のある島田市は
JR静岡駅から在来線で乗車時間約26分ゆられた場所にある
自然豊かな街です。

島田市にある昔ながら風情溢れる蓬莱橋という橋には、観光客を始め県外からも多くの方が
訪れており、テレビ等のロケ地などでも使われています。
またSL(蒸気機関車)も人気で休日にはお子様連れの方が多く集まっています!
最近では「KADODE OOIGAWA」という最大規模の体験型フードパーク施設ができ
島田市の魅力を存分に味わうことができるようになりました♪

それでは物件の紹介にうつっていきましょう!
築43年の古民家物件の玄関を入っていくと
和を感じる石張りの空間。

歴史を感じる建具を残したリビングは、入った瞬間落ち着く空間となっております。

都市ガスが引かれているため、キッチンにはガスコンロを置くことができます!

和室3部屋、洋室3部屋あるため
趣味の部屋から寝室、書斎、子供部屋まで広々と活用することができますよ♪

お風呂場では懐かしい気持ちを思い出しながら、お子様とのんびり。

お庭では静岡ならではの”お茶”を飲みながらまったりした空間を過ごすことができます。

どこか懐かしい気持ちになる心温まる物件で
島田市の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。

移住をしてみたいと考えたときに、具体的にイメージすればするほど、
いろいろな悩みや不安が出てきませんか?

「静岡市へ移住したら、どんな暮らしができるのかな?」
「どこに住んだらいいんだろう?」
「どんな仕事があるのかな?」

「暮らし」「住まい」「仕事」それぞれのテーマに沿って
詳しくお話していきます♪
また先輩移住者によるトークセッションも開催!
この機会に移住に対する不安や悩みを解消し、
静岡への移住の準備をすすめてみませんか?

最後には各ブースの個別相談会もあります。(※要予約制)
ぜひ皆様ご参加ください!

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【イベント概要】
静岡移住計画セミナー&個別相談会
静岡市の「暮らし」と「住まい」と「仕事」

■日時:2023年8月26日(土) 13:00~14:30(個別相談会)14:40〜15:40
■受付開始時間:12:45~
■場所:ふるさと回帰支援センター セミナールームC・D
(東京都千代田区有楽町2丁目10-1東京交通会館)
■参加費:無料
■申込:事前申込制 先着40名
 ※定員に達した場合、申込締切を早める場合がございます。ご了承ください。
■申込先URL:https://logoform.jp/form/79j2/303647
■締切:締切:8/24(木)17:00まで
■主催:静岡市(静岡市移住支援センター)
■協力:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター、㈱TurnX、静岡鉄道㈱
■問合せ先:静岡市企画課 移住・事業推進係(tel:054-221-1240※土日祝除く9:00-17:00)

【当日のタイムスケジュール】
12:45~受付開始
13:00~ 開会挨拶
13:10~第1部『静岡市を知る』
「暮らし」「住まい」「仕事」の各方面から静岡市を紹介します。
静岡市でのよりリアルな生活をイメージしてみてください。

13:50~ 第2部『先輩移住者2人によるトークセッション』
実際に静岡市に移住され、転職もされた先輩移住者が実体験をもとに
「静岡市への移住と転職の”リアル”」について
良い面も悪い面も含めトークセッション形式でお話します!

14:40~ 第3部『個別相談会』※事前予約制
「暮らし」「住まい」「仕事」の各ブースを設置し、各回20分の個別相談会を行います。
疑問に思っていること、不安に感じていることをこの機会に聞いてみてください。
(①14:40〜15:00/②15:00~15:20/③15:20~15:40)

2022年の「未来の食卓アワード日本缶詰大賞」で
優秀賞を受賞したツナ缶「とろつな」。
生みの親は、ツナ缶製造シェアが97%を誇るツナ缶大国・静岡にある
創業70年以上の飼料メーカー「伊豆川飼料」でした。
養鶏用飼料や肥料を製造する会社がツナ缶を作った背景を、
取締役の伊豆川剛史さんにお聞きします。

―飼料メーカーである伊豆川飼料さんが、ツナ缶を作ろうと思われたのはなぜでしょうか?
静岡県は全国有数のマグロの水揚げ量を誇ります。
当社はマグロの解体時に出る食べられない部分(加工残渣)を有効利用し、
養鶏用飼料や肥料を作ってきました。
お茶やミカンに使うと美味しくなると、昔から静岡の農家さんが大事に使ってくださっている肥料です。
でも同じ静岡に住んでいても、魚を原料とする肥料が使われていると知らない方も多い。
この循環…つまり、静岡のツナ缶とお茶やミカンが実は繋がっている、
そしてどれも美味しくて素晴らしいものなんだ!ということを、
ツナ缶を通じて知っていただきたいと思いました。

―「未来の食卓アワード日本缶詰大賞」では、この“静岡の循環を伝えるツナ缶”というユニークさも評価されましたね。静岡はツナ缶の生産量が全国一位だとか。
水産加工業が盛んな静岡は、ツナ缶製造シェアが97%とほぼ独占状態です。
にもかかわらず、ここ10年で当社に入る加工残渣の量が減ってきた。
調べると、魚を加工する量が減っている、
つまりマグロの解体をする人自体がいなくなってきたと知りました。
11年くらい前から、海外で解体したマグロの身だけを輸入し、
それを日本で缶詰に加工する会社も増えたんです。

―なぜそういったことが起こるのでしょうか?
ツナ缶は3、4個セットで特売になりやすく価格を上げにくいため、
海外で解体しコストを削減するわけです。
これを放っておいたら、加工残渣を扱う当社はおろか、
静岡がもつ“シェア97%”も維持できないと感じました。
ならば、1個100円じゃないツナ缶を作ったら…。解体も自社でできるようになるし、
みんなもう少しハッピーな企業活動ができるんじゃないか!?と。
そのときは勢いだけでツナ缶づくりに邁進して(笑)。

―勢いでオリジナルのツナ缶「とろつな」「しろつな」が生まれたとは!
ただ、もともと静岡のツナ缶のポテンシャルが高いことはわかっていました。
いつだったか、東京のお客様に地元メーカーのツナ缶をお土産に差し上げたことがあって。
後日お客様から「とても美味しかった。400円くらいするんじゃないか」と言われたんですよね。
実はこのツナ缶、地元では100円ほどで売られているもの。
値段以上の価値があるとその時確信したんです。
この経験から、スーパーではなくプレゼントなどで手に取っていただけるツナ缶、
というコンセプトで作ろうと。

―「とろつな」「しろつな」を召し上がった方からの感想は?
「とろつな」は通常イメージするツナ缶とは違い、刺身が一枚一枚入っているような形状で、
とにかく柔らかくて美味しいという感想が多いですね。
逆にツウの方に支持されるのは、しっかりした味と食感の「しろつな」。
食べ比べも楽しいと思います。

―2023年2月から、一般の方向けの家庭菜園用肥料「つなごえ」も発売になりました。
一般の方にも、肥料でこれだけ野菜の味が変わるんだ!というのを体感していただきたくて。
ツナ缶と同じく、この静岡の循環に興味をもっていただいて、
そこからお茶やミカンも味わっていただけるようになればと。
いま農水産業が置かれている環境はかなり厳しく、少しでも価格が上がるとニュースになる。
その意識を変えたい想いが私にはあります。
この値段なら納得だねと思っていただけるような、生産者側の見えない苦労や努力、
手間暇かけて作っているというメッセージをちゃんと発信していきたい。
そして、生産者側が自分たちの商品に自信をもって販売できるようになるというのが、
最終的なゴール…というか、私の願いなんです。

―とても強い想いや目標をお持ちであることが伝わってきます。
実は当社のツナ缶、半年ほど全然売れなくて(笑)。
ある日私の想いにひどく共感された方が、知り合いの方をどんどん紹介してくださった。
見返りを求めないのは県民性でしょうか。
だから今度は私がみなさんに返していく番かなと、勝手に思っていて。
静岡では各メーカーがいろいろなツナ缶を作っていますが、
メーカーごとにまったく味が違って、本当に全部美味しい。
だから当社以外のツナ缶もたくさん食べ比べに来てほしい。
そうすれば、魚に関わっている人、当社の肥料を使われている農家さん、静岡の人みんなが幸せになる。
ツナ缶を2、3個買っていただくだけで、すごく潤うと思うんですよ。
魚とお茶とミカン、静岡に来て味わっていただけたら最高だなって思います!

ライター:左藤緋美

静岡県下最大級の緑茶・農業・観光の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」にあるのが、
観光案内所「TOURIST INFOMATIONおおいなび」。
ここで日々、観光客との会話を通じて大井川流域の魅力を伝えている島田市観光協会の山﨑知世子さんに、
「おおいなび」が目指す対話型の観光案内についてお話を伺いました。

―「TOURIST INFOMATIONおおいなび」は、「KADODE」と一体化したとても洗練された空間ですね。
もともとはJR金谷駅前に観光案内所があったのですが、
大井川鐡道「門出駅」開設時にできた駅直結の「KADODE OOIGAWA」(以下「KADODE」)に
併設する形で、観光案内機能のある「TOURIST INFOMATIONおおいなび」(以下「おおいなび」)が
オープンとなりました。
「KADODE」併設ゆえに、お洒落なデザイン空間になっています。

―従来の観光案内所の雰囲気とは、まったく違う印象を受けました。
「おおいなび」のメインテーマは、お客様と会話をしながら、人と人、人と土地を繋げるということ。
島田を好きになって、またリピートして戻ってきてくださるような
お客様との出会いができればと考えています。
これまでの観光案内所というと、自動ドアが空いて、窓口に誰か一人が座っていて、
パンフレットが色々置いてあって…と、ちょっと殺風景な感じだったかなと思うんです。
でも「おおいなび」はお洒落かつ、奥に物販コーナーもあって。
ここでは島田市から川根本町までの大井川流域の特産物だけを扱っているんですよ。

―なぜ扱うエリアを限定されているのでしょう?
通常、サービスエリアで販売されているのは静岡県内のもの。
特産品や土産は大体がそこで手に入ると思いますが、
たとえば「大井川流域の川根本町では柚子の商品が有名なんだよ」と言っても、
ピンと来る方はいらっしゃらないと思うんですよ。
この土地でできたものを、ここに観光に来られた方に土産として持って帰ってもらいたい。
「おおいなび」という場所が、地産地消のひとつの場所になると思っています。

―自由にカスタマイズできるカード型パンフレット『大井川でやるべき100のこと』、非常に面白い取り組みです。
これも「おおいなび」が目指す、受動的でなく能動的な観光案内のひとつです。
こちらから提案する100の「見る・食べる・買う・泊まる・体験する」の中から、
気になるパンフレットを取ってオリジナルのカード型パンフレットを作り、
大井川流域へ出かけていただくまでを、お客様と対話しながら提案しているんです。

―100も! そんなにも多くの楽しみ方があるんですね。
掲載されている情報はJA大井川さんほか多くの方々に全面協力をいただきながら、
飲食店なら食べてみるなどして、スタッフらが実際の足で稼いだものです。
本当にお客様におすすめできるところを掲載していて、更新は1年。
お客様の反応を見て継続するところもあれば、残念ながらフェードアウトしてしまうところも。
お客様や事業者さん側の提案で新しいスポットが追加される可能性もあるという、面白いパンフレットです。

―山﨑さんをはじめスタッフの皆さんが足で稼いでいらっしゃるとは、驚きました。
山の中に町がある大井川流域エリアは、海のものに山のもの、物販も含めて沢山種類があって、
本当に私たちも紹介しきれないくらい(笑)。
私たちが知らないからお客様に伝えられない、質問に答えられないということが起きてしまうので、
もう常に情報を得ていかねばなりません。
ですから私たちスタッフは、休みの日も自主的にドライブに出かけるなど激しく動き回っています(笑)。
「おおいなび」は私たち案内する側にとっても、「常に新しいことを発見する場所」なんですよね。

―どんどん情報が更新されていくわけですね! お客様の反応は?
カード100枚全部を集めたい!というお客様も結構いらっしゃるんですが、
夢のつり橋といった人気観光スポットは欠品してしまうことも。
ブルーベリー狩りやハマナス農園など期間限定のものもあるので、季節やタイミングによって
違うカードが並びます。
そこを狙って来られるお客様もいらっしゃるぐらいなんですよ。

―「KADODE」や「おおいなび」、そして大井川流域の今後についてはどのような想いをお持ちですか?
「おおいなび」では今後も能動的な観光案内をしていきたいと思いますし、
「KADODE」でのお茶産業を盛り上げるイベントも計画していますので、
ぜひ楽しみにしていただきたいですね。
また、大井川鐡道で縁起の良い名を持つ「日切」「合格」「門出」「神尾」「福用」駅と
旧東海道にある「すべらず地蔵尊」や「日限地蔵尊」をあわせて、
「合格祈願周遊の町」としてアピールできればと思います。
陶芸の志戸呂焼や茶業など先々残していかねばならないものに対しては、若い世代の作家さん、
跡を継ぎたいという方々に来ていただけたら。
きっと島田市や大井川流域が賑やかになるんじゃないかなって思っています

 

ライター:左藤緋美

かつては駄菓子屋でも売られていた静岡のソウルフード“静岡おでん”。
ほか数々の静岡グルメを提供するのは、東京・高田馬場にある「静岡おでん ガッツ」。
静岡での食べ方を再現したいと語る静岡出身の店主・市川徳二さんに、
お店のこと、そして静岡に対する並々ならぬ想いを伺います。

―「静岡おでん ガッツ」のこだわりをぜひ教えてください。
なるべく静岡で作られたものや静岡産の原材料、調味料を使うことですね。
あとは、静岡の人たちが食べているような食べ方や調味料の使い方、調理の仕方を再現すること。
極端なことを言うと、料理の質とか美味しさ、値段っていうよりも、
どれだけ静岡の日常に近いものを提供できるかということを目指しています。
たとえば…はんぺんフライは、もしかしたらマヨネーズやお醤油で食べたほうが美味しいかもしれない、
でも自分が子どものころは中濃ソースで食べるのが絶対で、自分の中でそれが慣れ親しんだ味。
美味しいよりも、あえて昔ながらの静岡県人の食べ方で食す。
そういうところにはこだわりたいと思っています。

―なぜ静岡おでんのお店を開店しようと?
私の実家は酒屋をやりながら軒先で酒やつまみを提供する、いわゆる角打ちのような店をやっていました。
父の作ったおでんをお客様に提供していて、私も小さい頃からそれを食べてという環境で育ちました。
東京の大学に進学、就職した中で気付いたのは、父への想いと静岡に対する想い。こと静岡に対する想いは
他者より秀でているんじゃないかと。その想いを形にすべく、2012年に開店しました。

―お父様が30年以上作られてきた「正統派ストロングスタイルの静岡おでん」とは?
静岡おでんにはいろいろな定義があって。たとえば黒はんぺんがあるとか、
青のり・だし粉をかけて食べるとか、串に刺してあるとか。それをきちんと踏襲しているってことですね。
利益を追究すれば、どうしても食材や調理法、提供方法を変えたりすることが出てくるのですが、
うちは改変せず、本当の静岡のおでん屋さんで出しているようなおでん。
それに限りなく近いものを提供したいと。

―意識されているのは「ザ・静岡」の味や体験ということでしょうか。
目指したいのは、ただの飲食店というより、もう少しエンターテインメント性の高いところ。
目標としてはディズニーランドみたいな、「静岡」っていうテーマパークに来たような
フワフワした気持ちになれるといいかなと思って。
気軽に来て、静岡の空気感を感じていただければ、それでいいと。
あんまり大それた期待をもってうちの店に来ていただくよりも、
たまたまフラッと入って2、3杯飲んで1000円、2000円使って楽しく過ごしてもらえら、
それがこの店の役割だなと思うんですよ。

―市川さんの静岡に対する想いを強く感じます。
やはり静岡のためになるようなことをしたいですよね。
うちは静岡ありきの店で、静岡からいろいろなものをいただいている。
その分きちんと恩返しをしない限りは、当店の発展はないと思いますから。
感謝の気持ちを、静岡の未来のために何か尽力することで示せたらと。
静岡の美味しいもの、温かい文化に観光地。そういう良さを東京で発信して、静岡に関心を向けていただいて、
そこから実際に静岡に出かけ、さらには「ここに住んでみたい」と思っていただけるような…。
そういう演出ができたらなとは思いますね。

―やはりお客様とも静岡の話題になることが多いとか。
おすすめの旅程や食べ物の話だけじゃなく、静岡で暮らしてみたいっていう話になることもあるんです。
地元は静岡ではないけれど、将来的には静岡に移住して清水エスパルスを
もっと応援したいんだっていう方、実は結構いらっしゃるんですよね。

―そこまで熱心なサポーターさんが多いんですね! 驚きました。
静岡は気候的にも温暖で、静岡市の中部地区は雪も降らない。
大都市圏からほどよい位置にあるということもあって過ごしやすい。
海があって山があって、美味しいものがたくさんあって。
そんなに刺激的なものはないかもしれませんが、毎日を心穏やかに過ごすのに
一番適している場所だなと思うんですよね。
温泉もあるから、静岡という場所がものすごく極楽の場所になっていくんじゃないかなって思います。

―刺激が欲しいときは大都市圏に行けばいいわけで、そう考えると静岡は非常に暮らしやすい場所だと。
そう。ありきたりの表現しかできないんですが、とにかく暮らしやすい。
それがすべてなんですよね。良いところだから絶対に気に入りますよ、と。
それは私の中で絶対的すぎて揺るがない。
もしかしたら仕事をするという点ではまだ難しいかもしれませんが、
人として生活するということにおいては、多分日本の中でも一番良い場所なんじゃないかな。

ライター:左藤緋美

「川根茶」は静岡が生んだ日本三大銘茶のひとつ。
この販売促進のため、静岡県中部の山間に位置する川根町と川根本町エリアで
生まれたのが「川根お茶街道推進協議会」です。当協議会で川根茶の普及に努める花房則告さんに、
川根茶、そして川根茶を生み出した山里、川根本町の魅力についてお聞きしました。

―「川根お茶街道推進協議会」の活動について教えてください。
「川根茶を広めたい」という共通の想いを胸に、役場や農協、観光協会や各市町の商工会など
計12の団体が参加し、川根茶の販売促進のために活動しています。
具体的には、毎年11月23日に開催されているイベント「川根時間」への参加。
これは川根の紅葉、自然とともに、町の施設で川根茶をゆっくり楽しんでいただくもので、
お茶の手揉み体験や品評会の上位入賞茶体験などもできる体験イベントになっています。
町で採れた最初のお茶を奉納し、お茶の安全祈願をする「献茶式」や「新茶の初取引」にも参加したり、
「川根茶の日」と制定されている4月21日を中心にイベントを開催していくなど、
川根茶の普及に日々努めています。

―後継者や若い世代に向けてのアプローチもなさっていますね。
お茶に関する勉強の場「川根茶塾」を実施して、
茶商の若い後継者の方を集めて経営の仕方を勉強していただいたり、お茶を使った料理の試作をし、
実際に町の方に食べていただいたり。また、小さい頃から川根茶に慣れ親しんでもらいたいと、
茶業青年団が「お茶の入れ方教室」を各市町の小中学校で開催しています。
ここ最近は関東方面に出向き、実際に川根茶を飲んでいただく機会をつくる活動へとシフトしていますね。

―川根茶の魅力とは、どういった点にあるのでしょうか。
お茶には「深蒸し茶」「浅蒸し茶」があって、川根茶は主に、
茶葉のリーフの形状がしっかりした「浅蒸し茶」が中心なんですね。
全国茶品評会で昨年度も農林水産大臣賞を受賞したり、出品された方がすべて3位以内に入賞したりと、
高品質な点が川根茶の特徴かつ魅力だと思います。
川根茶は山間部で採れるので、他の産地より採れる量が少なくなってしまう。
であれば「量より質」で勝負しようと、品質に力を入れているというわけです。

―川根茶を初めて飲まれた方から、どういった感想を聞くことが多いでしょうか?
浅蒸しの、濃緑の針のような茶葉を見て、「わぁ…!」と驚かれる方が多いですね。
飲んでいただくと「深蒸しよりも渋味が感じられる」というお声が聞かれます。
川根茶には、嫌味のない渋味があるのが特徴。
渋味もあんまり強いと嫌われてしまいますが、それぞれの茶商独自の仕上げ方によって、
いい塩梅の渋味が感じられるんですよ。
浅蒸し茶はお茶の色としてはかなり薄いものの、味は濃く強く感じられる。
若い方にぜひ川根茶のコクを知っていただけたらと思いますね。

―浅蒸し茶、ぜひ飲んでみたいと感じました! 川根茶をまだご存じない方も多いとのことですが。
全国的にみると、川根茶は流通する量自体が少ないですからね。
特に若い方に向けて発信していかなければということで、
手軽に飲める「川根茶ペットボトル」を2022年に発売しました。
他のペットボトル茶との差別化を考えたとき、通常は二番茶、秋冬番茶を使うところを、
うちは一番茶で勝負しようと。1本200円と少々割高かと思いつつ、
飲んでいただいた方からは「もっと高くてもいいんじゃないか」とのお声をいただけて…。

―実際に飲まれた方が、一番茶の美味しさや価値を実感されているということですね!
嬉しいですね。川根地域や隣の市町での限定販売で、現在2万本以上出荷。
今後は県内外の方にも飲んでいただけるようPRして、
ゆくゆくはお茶の葉からお茶を入れていただけるようになれば…と思います。

―日本三大銘茶のひとつを生んだ川根エリア。魅力はなんでしょうか?
水や空気はもちろんですが、夜の星空がもう本当に綺麗なんです!
無数の星たちが光り輝く星空が、視界いっぱいに広がるのが一番の魅力。
ご覧になった方は驚かれます。自然環境が豊かで、エメラルドグリーンの水を
たたえる接岨湖や12カ所以上あるつり橋など、挙げればきりがないほど。
都会から来た方々にもとことん付き合うといった、
人情味にあふれた方々が多いのも魅力ではないでしょうか。

―ここ最近、都会から移り住む若い方が増えたとお聞きしました。
カフェやフランス料理店を開かれる方も多くて、町の雰囲気もずいぶん変わってきました。
こうして、移住される若い方々と一緒になって町を盛り上げていけているのが
とっても嬉しいんですよね!
同時にお茶が中心の町でもありますので、「美味しいお茶づくりにご興味のある方は、
お茶の木を育てるところから始めてみませんか?」と伝えたい。
バックアップする環境は揃っているので、お茶づくりに関心のある方はぜひ、お越しいただきたいですね。

TEXT/左藤緋美

小川港と焼津港、二つの漁港をもつ焼津市は、日本一の水揚高を誇る水産都市。
その焼津には、京都や大阪の高級料亭から鯖寿司や〆鯖の注文が絶えない加工会社「焼津冷蔵」があります。
「ヤキレイ」として一般の方向けに通販事業も始めた3代目社長・原崎太輔さんに、
そのこだわりや水産都市・焼津についてお聞きしました。

―焼津冷蔵さんは、高級料亭や百貨店などに鯖寿司や〆鯖を卸していると聞きました。
生食用の鯖の加工品が主力商品で、もともと出荷先はほとんどが鯖寿司屋。
我々が作っている塩鯖は鮮度も品質も非常に高く、
「焼津の塩鯖だったら生で食べられる」と高評価をいただいたんです。
こうして、多くのブランドや料亭の鯖寿司のもとになる〆鯖を作り出したのが20~30年前。
おかげさまで、京都、大阪の駅で販売されている鯖寿司の多くを
当社が手掛けさせていただいて、今や抱えるレシピは200超になりました。

―そんなにも! 焼津の〆鯖は関西圏でブランド認知されているというわけですね。
でも静岡の方は意外とご存じない。やはり地元の方にも知っていただく、
召し上がっていただくというのは我々がやらなければいけないことだと思っています。
そこで当社でも一般の方向けに約2年前から、京都や関西のお客様の競合にならないよう
通販等の直売スタイルでの販売をスタートさせました。

―内閣総理大臣賞受賞「切れてるお茶しめさば」には、なんとお茶が使われているとか。
臭い消しのためにお茶で下処理をしているんです。
スーパーで売る〆鯖はパック入りで賞味期限も長く、そのため鯖の臭いが出やすい。
だからといって添加物はあまり使いたくない。そんなときにお茶のカテキンが臭い消しに効くと知り、
静岡のお茶で下処理することを考えついたんです。
お茶の緑色が鯖の身に残ってしまうのが難点だったのですが、
緑茶の一種「サンルージュ」は淡いピンク色になることに数年がかりで辿り着いて…。
その後は品評会などでも認められ、内閣総理大臣賞を受賞することができ、
伊勢神宮にも奉納させていただきました。
今は一般的な緑茶でも緑色が残らない製法を社員が考えてくれて、
ゆくゆくは生産農家の方と組んだりできると面白いなと思っているところです。

―鰻の蒲焼にも、お茶から着想した「深蒸し」という製法を取り入れていらっしゃいますね。
箸でなかなかつかめない柔らかい蒲焼を作るのがこだわり。
お茶の深蒸しにヒントを得て、約2倍の時間をかけて蒸すんです。
すると、柔らかさと一緒に本来持っているコクも出る。
鰻はよく火入れすると美味しくなるものの、驚くほど縮むので、
深蒸しをやる工場はあまりないんじゃないかな…。
よく、食べる前にフライパンで蒸すとお店の味に近くなるとか言いますが、
それは当社の蒲焼では絶対にやっちゃだめ(笑)。もう十分に火を入れているから、
逆に美味しくなくなるんですよ。
柔らかく美味しく食べてもらうために、しっかり火を入れる。
当社はそれをただただ真面目にやるだけ。そのぶん手間がかかるので、
お客様からは「やっぱヤキレイの蒲焼は美味しいよね、高いけどね」って言われるんですけど(笑)。

―鯖と鰻を扱うことになった経緯は?
祖父がその昔、漁師に漁船を提供する船元で、漁師でもあったのが発端です。
約50年前の駿河湾では鯖がたくさん捕れていたんですが、同時期に浜名湖で鰻の養殖が始まり、
小さい鯖をエサにするとわかった。ならば大きい鯖は人間に、小さい鯖は鰻にあげればちょうどいい、
いっそのこと鰻の養殖をと、祖父の代で考えついた。その流れで、鯖を軸に鰻も扱っているわけなんです。

―焼津市は「小川港さば祭り」が行われるだけあって、もともと鯖の水揚が日本一だったと。
そうです。でも温暖化の影響で魚が捕れる漁港がどんどん北上しているのと、
水産業自体が落ち込んできている。
ただ、今でも焼津は日本一の水揚高を誇る水産都市。
夕方になると鰹節の香りが漂ってくるディープな街ですが(笑)、
そこに根付いた会社があって、雇用を生み出し、魚で飯を食っている人間がいるということを
次の世代にも残していきたいと思うんです。

―水産業と焼津への並々ならぬ想いを感じます。「焼津冷蔵」の今後についてもお聞かせください。
「焼津にはヤキレイがあるよね」って言われるような会社にしていかないといけない。
できれば、祖父がやっていた6次産業化も目指したい。
自ら捕ってきたものを、自らが売って直接食べてもらうところまでができる会社にしたいですよね。
そこにきっと人や物が集まってくると思うんですよ。地域産業が発展すること―。
当社がそのパズルのひとつになれれば嬉しいなってすごく思います。
まずはとにかく一度、うちの〆鯖を召し上がってみてください!(笑) 本当に美味しいですから。

ライター:左藤緋美

藤枝市のお茶産業を途絶えさせまいと、茶商6社、生産農家1社がタッグを組み生まれたのが、
藤枝市を拠点に活動する「TEA SEVEN」です。
国内にとどまらず、海外への販路拡大を視野に入れチャレンジし続ける若き茶商のひとり、
小野慎太郎さんの、お茶産業、そして藤枝に対する想いとは―。

―「TEA SEVEN」で取扱いのある「藤枝かおり」は、藤枝市で誕生した新品種のお茶だそうですね。
「藤枝かおり」は、日本で藤枝市にしか植わっていない茶の木。
この木からはジャスミンのような香りがするんですよ。これを普及させたい!という想いから、
4種の商品(煎茶、抹茶玄米茶、紅茶、玄米焙茶)を誕生させました。
バリエーションを持たせたのは、煎茶が好き、紅茶が好き…というさまざまな方の好みに合うように。
大変だったのは、この品種の独自性であるジャスミン香を消さない作り方を模索したところでしょうか。
ですが、「TEA SEVEN」は茶商の集まり。ブレンド技術や玄米の割合、
茶葉の焙煎加減などはプロですから、それぞれに委ねています。
人気のサブスクサービスは6社の茶商ごとに焙煎度合いの違いや特徴が出るので、
毎月違うスタイルのお茶が味わえて面白いですよ。

―そもそも「TEA SEVEN」とはどういった形態で活動されているんでしょうか?
後継者不足、荒廃茶園が増えているという現状を鑑みて、
「藤枝かおり」の販売を海外にも拡大していこうと、
6社の茶商と1社の生産農家が集まってできた団体です。
特徴的なのは、この生産農家は有機栽培を最初に行った茶農家であること、
そして6社の茶商については、茶の鑑定技術がものすごく優れていること。
プロの茶鑑定大会「全国茶審査技術競技大会」では何度も全国大会に行っているメンバーで、
多くが段の保有者です。そのため安心安全なのはもちろん、美味しいお茶を提供できるのが強み。
主にオンラインショップと、年間150万人が訪れる蓮華寺公園内にある、
和洋折衷な青いとんがり屋根が特徴の「とんがりぼう」(旧藤枝製茶貿易商館)で販売を行っています。

―なぜ、7社協同というスタイルに?
茶商は古くからあって、昔からライバルというか切磋琢磨してきた分、
協同で一緒に何かをすることができない業種だったんです。
でも私自身、協同という意識がどこかにあったんだと思うんですよね。
日本のマーケットも小さくなっていて、販路を海外にも向けたいという中では、
規模的に小さな問屋が個々でやっていても難しいですから。
あるとき地元で、一般の参加者100名ほどを集めて“利き茶ナンバーワン”を決めるコンテスト
「天下一闘茶会」の運営を主導したのですが、こんな大きなイベントができるのであれ
ば茶商の概念を覆して協同でやっていこう、販売流通も拡大していこうと20社ほどの茶商に声をかけて。
あとさき考えずに「やりましょう!」と言ってくれたのが、私を除く6社だったわけです(笑)。

―海外を視野に入れた同志7名が集って、「TEA SEVEN」が誕生したと。
海外展開でいうと、約5年前に藤枝市と台湾の企業が包括連携協定を結んだのをきっかけに、
台湾に向け販路を拡大中です。多いときで年4~5回は台湾に渡り、PR活動を行っているところです。
直近では、2017年から続くパリ唯一の日本茶コンクール「ジャパニーズティー・セレクション・パリ」にて、
200超の日本茶の中から藤枝かおりの玄米焙茶が銅賞を受賞するという朗報もありました。

―海外でも日本茶、藤枝茶が広く認知される嬉しいニュースです! では今後の抱負は?
藤枝市の茶園面積がどんどん増えて、生産の面でも後継者が出てきて…という青写真を描いていて。
ただそのためには、藤枝茶のブランド価値が認知され、
安くない価格で販売できるのが一番じゃないかと思うんですよね。
価値を上げるべく引き続き海外展開を視野に入れて、まずは台湾での地盤固めに力を注ぎたいなと。
今年で5年目となる「TEA SEVEN」をこの先も続けていけるよう、頑張りたいですね。

―藤枝かおりの木が日本で唯一育つという藤枝市。どんな街なんでしょうか。
お茶に関する面白い文化に「朝ラーメン」があります。茶商の取引は朝4時、5時と、ものすごく早い。
生産農家や問屋の方が、仕入れが終わったあとにラーメンを食べたことから、
藤枝は「朝ラーメン発祥の地」と言われています。
ほかにも、茶農家の5月は収穫時期で多忙なので、
3月の雛祭りの際に、端午の節句のお祝いも一緒にやってしまうんですよ。
藤枝はこうした茶農家ならではの風習が残っている地域でもあります。
行政も力を入れているからか移住される方も珍しくないですが、
穏やかでゆったりした時間が流れているのが藤枝市。
そこはこれからも変わらないでいてほしいですね。

ライター:左藤緋美