【事業者紹介】「おいしい」を届ける、伝馬町の「NICE GROCERY」

静岡市葵区伝馬町にある「NICE GROCERY」。自家製のパンやサンドイッチ、全国のこだわりの食材などが揃う食料品店です。店主が実際に食べて「おいしい」と思ったものや、静岡ではまだあまり見かけない食品が並んでいます。今回は、NICE GROCERYを始めたきっかけや、これから静岡でつくっていきたい場所について伺いました。

――まず、NICE GROCERYはどんなお店ですか?

日常的に気軽に使えるコンビニのようなお店です静岡には大きなスーパーのようなお店はありますが、都会にあるような「グロサリー」という業態のお店があまり多くありません。もっと気軽に立ち寄れて、食料品以外にもパンのようなフレッシュなものも買える、小さなお店をやってみたいという想いで、2025年11月にお店を構えました。

――もともと食に関わる仕事をされていたんですか?

もともと食料品のお店が好きで、大学を卒業してから食料品を扱うお店で働いていました。一時期は、飲食から離れて接客や販売の仕事をしていたこともありましたが、やっぱりまた食に関わる仕事をやりたいと思うようになって。そんな時に、友人が藤枝市岡部で「檸檬とラクダ」というヴィーガンレストランを始めることになり、立ち上げを手伝いました。そこでの経験も、今のお店につながっています。

――静岡に戻ってきたのは、そのお店の立ち上げがきっかけだったんですか?

そうですね。ただ、コロナ禍になったことも、静岡に戻るきっかけの一つでした。もともと静岡の金谷出身で、高校までは静岡で過ごし、大学卒業後は東京で働いていましたが、ちょうど東京にいる時にコロナ禍を経験しました。外出が難しくなる中で、以前までは旅行で現地まで行かなくてはできなかったことが、オンラインやリモートでできるようになりましたよね。その時に、東京で働くことがすべてではないんだなと感じるようになって。それもあって友人から店の立ち上げの誘いを受けたときにこれを機に静岡に戻ろうと思ったんです。

――NICE GROCERYを始める場所として、なぜ伝馬町を選んだんですか?

最初からこの場所に決めていたわけではないんです。友人と立ち上げた「檸檬とラクダ」は山奥にあって、わざわざそこへ行く楽しさがあります。一方で、自分がやりたい食料品店は、コンビニみたいに気軽に立ち寄ってもらえて、日常の中の一つのお店になってほしいと思っていました。街中にありながら、少し自然を感じられる場所が理想だったんです。今の場所は目の前に公園があって、桜もあって、四季の移ろいも感じられます。「市内だけど、ちょっと自然もある」という、自分の理想にかなり近い場所だったので、ここに決めました。

――「NICE GROCERY」という名前には、どんな思いがあるんですか?

もともと「NICE」という言葉がすごく好きだったのと、「たまたま手に取ったものが、実はいいものだった」とか、「これいいね、おいしいね」と思ってもらいたいという想いがあります。NICE GROCERYでは、オーガニックや有機食品、添加物を控えた食品などをベースに商品を選んでいますが、そういうものをあまり意識していない人にも、敷居が高くならずに気軽に来てもらいたいんです。「このお店に行けば、何かいいものがある」。そんなイメージになればいいなと思って、「NICE GROCERY」と名付けました。

――商品は、どんな基準で選んでいますか?

基本的には、自分が今まで使っていたものや、旅行先などで見つけて「いいな」と思ったものを中心に仕入れています。「お土産」ではなくて、日々の生活の中で使ってもらえるものをセレクトしています。特に調味料が好きなので、旅行先ではよくスーパーや食料品店に立ち寄ることが多いです。静岡で既に有名な商品だと、ほかのお店と競合してしまうので、なるべく静岡にはまだあまりないものや、日常的に使ってもらえるものを選んでいます。

――パンもお店の大きな特徴ですよね。

はい。裏に厨房があって、そこでパンやサンドイッチなどを作っています。フォカッチャなどは、見つけたら買ってくださる方が多いですね。パンについては、これを定番商品にするとあまり決めていなくて、その週の材料や旬の野菜を見ながら、今週はこれを作ろうかなという感じで決めています。主役というよりも、日々のご飯の横にあるような、食卓に寄り添うパンでありたいと思っています。

――これから、NICE GROCERYをどんなお店にしていきたいですか?

ありがたいことに、常連の方や気にかけて通ってくださる方が増えてきました。そういう方たちはもちろん大切にしながら、もっと幅広い方に来てもらいたいと思っています。今のお客様は30~40代の方が中心なので、もう少し20代などの若い方にも興味を持ってもらって、ふらっと入ってもらえるお店にしたいです。そういう人が一人でも増えて、そこから少しずつ興味を持ってもらえたら、街もどんどん豊かになっていくのかなと思っています。将来的には、もっと「スーパー」に近いような感じで、今日の晩ご飯の材料がここである程度揃うようなお店にしたいですね。全部が揃うわけじゃなくても、ちょっとした野菜や調味料を買って、今日の夕飯が作れる、そんなお店が理想です。

――最後に、静岡への移住を考えている方にメッセージをお願いします。

自分自身も東京から静岡に戻ってきたので、ある意味では移住者に近いと思っています。昔に比べると、静岡はすごく楽しい街になっていると感じます。自分が高校生や20代の頃は、個人のお店も探せばありましたけど、今ほどは充実していなかったと思います。そういう意味で、最近は歩いていても面白い街になってきたなと感じます。新幹線もありますし、車があれば西にも東にも行きやすくて、利便性もすごくいい。静岡に戻ってきて、改めて住みやすくていい場所だなと感じています。いろいろな人が楽しめる場所が増えていけば、静岡で暮らす人たちの居場所も、もっと豊かになっていくと思います。NICE GROCERYも、そんな場所の一つになれたら嬉しいです。